古伊万里　金襴手窓絵唐人図大壺　群馬県前橋市にて出張鑑定買取りさせていただきました。

約300年にわたる江戸時代で芸術が著しく発展したのが元禄時代（1688年~1704年）です。

江戸、大阪等の都市町人による産業の発展により経済活動が活発になった事に起因していると思います。

分かりやすく言えば、お金持ちの都会人が一気に増えて芸術にお金を費やす様になったと言うことです。

絵画の尾形光琳、小説の井原西鶴、俳句の松尾芭蕉、浄瑠璃の近松門左衛門、名だたる芸術家はこの頃に出現しています。

元禄文化とは簡単に言えば、「雅と浮き世」です。

陶磁器に於いては、貴族的な「雅」がとことん追求されました。

本品は器にビッシリと絵付が描き込まれ、金彩がふんだんに使われている金襴手と言われる大壺です。

高台に穴が開いている物は、ヨーロッパにおいて真鍮の台を付けられたか、ランプを付けてスタンドに使用された物です。

日本人にはちょっとうるさい印象の大壺に、更に金ピカの台を付けて仕舞うのですから人間の感性って色々です。

この様なヨーロッパに向けて造られた物を「輸出手」と言い、当時東インド会社の船で大量に輸出されました。

当時の西洋人には極東の「黄金の国ジパング」のオリエンタルな雰囲気が漂い、ふんだんに金彩が使用された焼き物は大そう魅力的で華やかな物に見えた事でしょう。

この大壺の様にヨーロッパから戻ってきた物を「里帰り品」と言い、日本人の感性には合わないので台や笠は外されて仕舞う事の方が多いです。

十分なスペースにこの壺だけを置ける環境があるならば素晴らしく映える物です。

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