オランダ ダッチデルフト シノワズリ ワインボトル 18世紀初頭【年末年始営業日お知らせ】

早いもので2022年も残すところ2週間程となりました。

本日ご紹介するお品物は、私の愛するデルフト陶器です。

デルフト焼きに於いては最高レベルにあるワイン用のボトルになります。

画像をご覧になって直ぐに気が付かれると思いますが、本体にシルバーの金具が付いています。

清朝期や江戸、元禄期にヨーロッパに輸出され、派手な金色の真鍮をデコレートした物は時々見かけることがありますが、デルフト陶器においては非常に珍しく、真鍮では無くシルバーだというのが特徴です。

当時、デルフト焼は庶民には手の届かない高級品だったので、その瓶に優れた銀細工の蓋を付けるのは正に贅沢の極みと言って良いでしょう。

現代の価値においては、計り知れないものがあります。

私が300年前に生まれていたとしたら、この様な贅沢な瓶を所有するどころか実物を見る事も出来なかったでしょう。

正につい最近まで美術品は「身分」のある方の物だったのです。

その辺の事を鑑みれば人間社会は大分「平ら」になって来たのかも知れませんね。

日本においてのデルフト焼きは桃山時代に茶人が水指として取り上げたところからは始まります。

その時代、遠く西洋から来たデルフト焼を見る事の出来た日本人は大名や豪商等の限られた人達に過ぎなかったでしょう。

たかだか300年前は「そう言う物だった」と想いを馳せると、尚更この銀蓋付のデルフト焼が愛おしく感じます。

以前のブログで「デルフト焼きは磁器を模倣した半陶半磁である。」と説明しました。

その技術力においても本品は最高レベルにあると言えます。

骨董品に精通した方で無ければ、この焼物は恐らく磁器に見えるでしょう。

土を焼き、下地の釉薬をかけ絵付けをした様にはとても見えません。

東洋磁器の様に、絵付がガラス質の釉薬に沈み、溶け込んでる様に見えます。

この状態が当時のオランダ人陶工が目指した「最高の物」だったのです。

恐らくは名のある名工が数十点を焼いた中からこの一点を選び、依頼者に渡したのでしょう。

そしてそれを受け取った依頼者が更に銀の蓋を注文し、銀細工師が見事な仕事をし、本品は完成したのです。

そして色々な方の手に渡りながら300年の時が経ち、その品が「今」私の手の中に在ります。

私は、長い年月を経て尚も美しく輝き続ける美術品を求め、これからも歩み続けようと思います。

最後になりますが、今年も本当に多くのお客様から買取りのご依頼を頂きました。

【アンティーク さくら】を信頼してくださり、選んで頂き本当に有難う御座いました。

私のことを必要としてくださる方が1人でも居る限り、喜んでベストを尽くさせて頂きます。

年末年始は29日~4日はお休みとなり、新年5日からの営業となります。

来年も変わらぬご愛顧をお願い致します。

ANTIQUE SAKURA  大類一浩

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