高麗青磁白象嵌皿 高麗末李朝初期



美術品において「象嵌」と言う手法をよくお聞きになると思います。



日本においては輪島塗など漆器に貝を象嵌した美しい作品を見かけた事があると思います。



象嵌の「象」は、かたどる「嵌」は、はめると言う意味で、素地は木工、陶器、金属等があり、金工の発祥の地はシリアと言われ、シルクロードを経由して飛鳥時代に日本に伝わったとされています。



写真のお品は、陶器に白い粉を象嵌した物です。



高台の写真を見ると彫って埋めている事が良く分かると思います。





この青磁の器は私のお気に入りです。



高麗青磁は初期においては「翡色青磁」などと呼ばれ本家の中国の竜泉窯を凌ぐと言われていたのですが、国家の衰退と共に良い青磁が焼けなくなり、其れを補うために象嵌の作品が焼かれました。



ご覧の通り本品はすでに青磁は灰色がかっており、釉薬もガラス質が剥げてしまっている所があります。



「荒れ果てた」と言う印象です。



私はこの荒れ果てた器に力強さ、精神性を強く感じます。



高台も荒れていますが、そこが魅力です。



この小さな器は装飾性は失われても、精神性は失われていないという事です。



私達人間は何も持たずに裸でこの世に生まれて来たのに、大人になるにしたがって、お金や地位や名誉を得て自尊心を満たそうとしたり、「自信の無さ」の裏腹で虚栄心が強くなり自分を立派に見せようとしたりします。



これは自分を美化しようとする「装飾性」と言えると思います。



私も弱い人間で装飾性を必要とします。



しかし、たとえ装飾性を失ってしまったとしても精神性は絶対に失いたくありません。



この荒れ果てた器の様に。



精神性を失ってしまったらこの眼で観たい物を心から観る事が出来無くなってしまいそうだからです。



それは私にとって最も悲しく惨めな事なのです。





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