ボヘミア 鹿模様被せガラスゴブレット 19世紀初頭
本日はボヘミアガラスの逸品をご紹介します。
ボヘミアガラスの特徴は厚みのある重厚なガラスに施すグラヴィール加工やダイヤモンドカットです。
連続して三角錐が連なるPK500シリーズはカットが美しく皆さんも1度位はご覧になった事があるかと思います。
ボヘミアガラスが台頭して来るのは16世紀頃からで、初期に於いてはベネチアガラスの技法を学び、17世紀後半にそれまでの材料に炭酸カリウムを加えカリガラスを作成した事により、ヨーロッパにおいて不動の地位を手にしました。
カリガラスは不純物の鉄の発色を抑え、透明色がとてもクリアで高屈折率で大変質の良いガラスだったのです。
その良質のガラスに施した深く写実的なグラヴィールやキラキラと輝くダイヤモンドカットは当時の貴族達を魅了しました。
本品も元々は貴族の家に飾られていた物だと思います。
そして長い年月をかけ、人の手から~手を渡り、海を渡って私の元に来てくれました。
1つの美術品、200年の時の流れ、人から人へ~
今までの持主だった殆どの方はもうすでに亡くなられているでしょう。
でもこのボヘミアガラスは今も荘厳に美しく佇んんでいます。
今までも、そしてこれからもです。
被せガラスによるレッドラインの美しさ、グラヴィールによる、繊細で躍動感のある美しい鹿の姿は、破損しない限り永遠に作品に閉じ込められ、そこに在るのです。
日本に於いてはドーム、ガレ、バカラ、等々のフランスの色気がある物の方が好まれているのかもしれません。
現代物のボヘミアガラスであれば大分安価で購入出来る様ですが、質的には決して同じクリアガラスのバカラに劣る訳では無いですし、雰囲気は江戸ガラスにも似たところがあり、私は日本人の感性に合うと思います。
ぜひボヘミアガラスに美しいお花を飾って楽しんでみて下さい。
毎日お花を眺めて綺麗だなと思える心があるならば、きっと良い人生を過ごされているのだと思います。
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