李朝時代 小盤 「ソバン」

 

本日ご紹介するお品物は李朝時代に作られたソバンと呼ばれている脚付の小さなテーブルです。

「李朝」とは現在の韓国、北朝鮮にあたり、
1392年~1897年迄続いた「李氏王朝」の事を言います。

李朝時代の品々は日本人にはとても好まれ、古くは桃山時代に当時の茶人が茶道の茶碗として取り上げ良い物は城や領土と同等の価値が与えられました。

利休はその価値を決められる立場にあり、それが権力となり大きくなり過ぎ、最後は秀吉に切腹を命じられました。

ソバンには色々なタイプがあり、天板が円形、長方形の物、虎足のホジョクバン、狗足のクジョクバンなど足の向きが異なる物等があります。

基本的な用途は一人用の食事テーブルで、床暖房(オンドル)で冷えた料理が温まらない為に使用され多いに普及しました。

日本においては李朝陶器の愛好家がお気に入りの徳利、酒盃、つまみを盛った小皿等を並べ独酌を愉しむ為に使用されます。

朝鮮美術の愛好家には必需品と言っても過言では無いと思います。

ソバンは日用品の為、庶民の物から貴族、王族が使用する物まで、その質はピンからキリまであります。

近年は、リプロと言われる古材を使用し味付けをした今出来の物もかなり見受けられます。

本品は貴族階級並みの方が使用していたと思われる品が良い上質なソバンになります。

言葉で表してみますと「たたずまいが自然であり自己主張をしていないのに、何処と無く品があり強い存在感を発している。」と言ったところでしょうか。

本品は1つ1つのパーツが良く削り込まれ、全体的な線自体は細いのですが、全く華奢で弱々しい感じが無く強い存在感が漂います。

これは、本物の格調を持っているからこそ感じられる雰囲気なのです。

「なぜ、皆が競いあって本物を所有したがるのか?」

上品で立姿の美しい美術品に触れるということは自分自身を磨き、心を育てる事にも通ずると言われています。

私自身もそういう存在で在りたいなぁとは願いますが、なかなか難しいところです。

 

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