デルフト C1700  中国明代染付馬上唐人文写し  大皿 長野県北佐久郡軽井沢町から骨董品買取り鑑定依頼を頂きました。

 

本日はオランダ、デルフト大皿のご紹介です。

こちらのデルフト皿は軽井沢の別荘にて先代様が長期保管されておりました品を鑑定、買取りさせて頂きました。(前所有者様の許可を頂いて本品を掲載しております。)

軽井沢の別荘地のお客様には長年御贔屓していただいております。バブル期に購入された美術品類である絵画や掛軸、西洋アンティークから中国美術、陶磁器、家具など、特に軽井沢彫の優品は今まで数多く買取りさせて頂いております。美術品は同じ様に見えましても、どのような人が何世紀に製造し、どのような場所で、どのように使用されていたかで価値は全く異なります。実物から出ているオーラ、魅力を最大限評価をさせて頂き判断をしなければなりません。ご説明、ご納得を頂いてから買取りのお話しをする様に努めております。

今回のお皿も大変良い物です。デルフト窯の歴史、変遷は先日のブログでご紹介したので省略させて頂きます。

本品はブルーデルフトと呼ばれる物で、絵付は明末の小染付を写した物になります。

中国の年代で言うと、明代万暦以降になります。

裏の画像を見て頂くと、丸バツの粗野な感じが明末の雰囲気に良く似ていると思います。

表のデザインは多くの唐人、馬が描かれています。

日本人の感性からすると、少し窮屈でうるさい印象でしょうか。

もう何年も前の話しではありますが、オークション会場の下見会でオランダ人ディーラーに片言の日本語でデルフト焼きを指差しながら「このデザインは君ら日本人には busyか?」と聞かれた事があります。

日本では「busy」と言うと「忙しい」と訳すのが普通ですが、骨董の話しでは「過多でうるさい感じ」を「busy」と表現します。

私は彼に半分冗談で「これは音符を詰め込むだけ詰め込んだロックの様ですね。我々日本人は間を愉しむ奥ゆかしい民族ですよ。」と答えると、彼は嬉しそうに笑っていました。

デルフトの特徴の1つにコミカルな絵付がありますが、本品も唐人の顔や馬の表情がファニーです。

しかし、デルフトの良さはそれだけでは終わらないところなのです。

不思議とそこには「品」や「古格」があるのです。

現代の焼物にこの絵付をしたらまるでちゃちな、観るに耐えない作品になるでしょう。

それでは300年前のデルフト焼と現代の焼物では何が違うのでしょうか。

それは「器」が元々持っている力が違うのです。

「格」のある焼物は絵付を削いだ素焼の状態で既に力を持っているのです。

力を持った器に絵付をすれば多少の下手は補われ、結果その調和がしっかりとした深い魅力となります。

それがデルフト焼の良さ、魅力だと思います。

分かりやすく日本の物で例えるならば「古墳期の素焼き埴輪」でしょうか。

とてもゆっくりとした時間が流れているような、柔らかい表情、素朴な姿の焼き物が現代の日本人の感性を擽り、人気の古美術品としての地位を確立させました。

古伊万里、中国磁器などを表す言葉は「綺麗」「美しい」位しか無いのですが、デルフトや埴輪は緻密なデザインでは無いので1点1点同じものが無く表情が豊かでとても愉しくて見応えがあります。

お近くに寄られた際には、ぜひ御来店頂き実物が持つその雰囲気をダイレクトに見て感じて頂きたいと思います。

又、デルフト焼や中国古陶磁器、絵画、掛軸など美術品をお持ちで売却を御検討されている方がいらっしゃいましたら1度ご相談下さい。

私自身が長年コレクターですので公平な評価をさせて頂きます。

 

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